醒めない夢を見ていた

ただ、いとしいとつたえるだけ。

アイスクリームが溶けてしまう前に -なかまるくん38回目の誕生日によせて-

今年もまた、あなたのことがなんにもわからないと笑う秋がやってきた。

こんなにもすきでたまらないのに、あなたのことが、なにもわからない。

けれどそれがさみしい、ではなくて、心地よい、に変わるのは、あなたの持っている素敵なところのすべてだなあと、この日を迎える度におもう。

 

去年の今日、あなたが37歳のお誕生日を迎えた日。

ずっとずっと憧れていたお店のタルトの箱を開いて、あなたがきらきらと輝いているたくさんの写真を並べながら、『きっと来年には、またコンサートでメンバーにお祝いされている姿を見られるんだ』と信じていた。

 

それから状況は目まぐるしく、刻一刻と変わっていって、いままでどおりの日々を紡ぐことはむずかしくなったけれど。テレビに、コンサートに、雑誌に、舞台に、YouTubeに。願いをかたちにしてフィールドをひろげていくあなたの姿を見ながら、『どれだけ遊びきることをたのしむのだろう』と知らぬ島の地図と宝箱を開くこどものようなきもちで、今日までやってきた。

 

一歩先の未来も分からないままに始まった1年半ぶりのソロアクトライブ『中丸君の楽しい時間4』。頭のなかに描いていたプランが上手くいかなくて、全公演走りきることが出来るかも不明瞭な状況のなか、『配信』というかたちを取ってよりたくさんのお客様に観てもらえるプラットフォームをつくったこと。いままでの楽しい時間の世界観を踏襲しながら、1席ずつ開けた座席にイヤホンマイクを通して、立体音響の演出を加えたこと。いつもみたいにすぐ近くには感じられないけれど、傍にいる感覚を、会場でも、画面の向こうでも感じられるようにしたこと。恒例の質問コーナーだけは絶対に無くさないで、なかまるくんのより深くへ触れられるようにしたこと。不自由で、制限のあるなかでも、"楽しい"を共有できるように。ルールのなかで最大限に遊んでくれたあなたの、またひとつ知らないところを見つけて嬉しくなったよ。

 

千秋楽の日、S-1グランプリの映像と同じ柄シャツにピアス姿で現れた彼は言った。『ぼくは本当に幸せ者だとおもいます。』歓声の代わりの割れんばかりの拍手と、大好きなゲームのキャラクターがお祝いする"千秋楽おめでとうございます"の文字を背に深々とお辞儀をして、はにかむようにわらう姿に、グループの15周年をこどもみたいにはしゃいで楽しみにする姿に、あなたの未来がどうか明るいものでありますように、涙じゃなく、楽しいで溢れますようにと、画面越しにただ願うしか出来なかった。

 

レギュラー番組である家事ヤロウはゴールデンの火曜18:45に昇格して、より多くのひとに観てもらえる番組になった。なかまるくんの名前はたくさん知ってもらえるようになって、バカリズムさん、カズレーザーさんとの信頼関係も柔らかく、やさしくゆるく深まっていった。おうちには調理家電が増えて、自粛期間中には、自炊を30分で作れるようになったりした。なかまるくんの得意なレシピが、これからもいっぱい増えますように。ほんとうに美味しいときの表情、わたしはだいすきです。

 

シューイチは、片瀬さんが今年の3月をもって卒業し、新体制になった。始まってから10年、姉弟みたいだった片瀬さんとなかまるくん、お父さんの中山秀征さんのコンビがわたしはだいすきで、それを優しく見守るコメンテーターの皆さんのファミリー感が愛おしかったから、正直卒業は寂しくて堪らなかったけれど。新しいステップと、そっと送り出すなかまるくんの瞳がやさしくて。新たな仲間と迎える朝は、新たな視点でつっこみをくれるまじっすかは、わたしの変わらない日曜朝のルーティンになった。同じことを10年間続けることはそう簡単じゃない、あたらしい場所へゆくのも簡単じゃない。ゆっくりと歩んだ道の先にあるいまが、この場所で良かったなあとおもう。

 

15周年を記念してはじまった何するカトゥーン?と食宝ゲッットゥーン。メンバー3人だけで、行きたい場所、やりたいことをめいっぱいやらせて貰えて、ファンの気持ちにまっすぐに応えてくださるこの上ない素敵な番組。「アニバーサリーをお祝いしたい」なかまるくんのお願い通り、毎度抱えきれないくらいの愛とやさしさと遊び心でお祝いしてくれるスタッフさんの気持ちに触れて、のびのび楽しくはしゃぐ3人が見られる。こんなにも最高なことってなかなかない。家族でも、友達でもない3人だけのやんちゃ旅。ゲッットゥーンも段々とチームの色が出て、むぎDとの信頼関係がちょっとずつ築かれはじめているのが味わい深い。撮影機材が大好きで、こうと決めたら鉄みたいにうごかないひとだけど、なんだかふたりは、相性が良い気がしている。

 

 

2021年3月21日。はじめてのデビュー15周年前夜祭。お祝いのバルーンとおおきなケーキとシャンパンを目の前に、うそのない、3人の本音が聞けた日。グラスを片手に『俺ねぇ、本当に嬉しいの。マジで嬉しいの。』と噛みしめるようにこぼしたことが、わたしはほんとうに嬉しかった。終始楽しそうな気を許した表情のまま、"嬉しい"を携えて明日を迎えてくれることが、なによりも。

 

2021年3月22日。デビュー15周年を迎えた、アニバーサリーツアーの実質的初日。有観客公演から配信公演に切り替わった記念日は、KAT-TUNを想うすべてのひとがお祝いできる誕生日へと変わって。画面の向こうには、とびっきりかっこよくて、とびっきり輝いている3人がいた。はじめて笑顔でお祝い出来る、KAT-TUNの15歳のお誕生日。

デビューして15年、わたしが知るよりもっときっと、計り知れないほどに長い時間。ステージのうえの瞬きの奥で、苦悩が絶えなかった15年。涙を隠すように後ろをそっと向いた日も、ぶつかりあった日もあった15年。だけどそれ以上に沢山、みんなで笑いあった15年。横にはいつもあいつがいた、15年。朝も昼も夜も、いつも、みんなで。

 

コンサート終盤の『Flashback』。ファンからKAT-TUNへの、ささやかなサプライズ。スクリーンに散らばる沢山のメッセージに気づいた瞬間、ただ立ち尽くして見つめていたこと。次にカメラが切り替わったとき、黒目の大きな瞳を涙で潤ませて、こどもみたいにぐしゃぐしゃな表情だったこと。アウトロでこれまでの景色を辿るように、想いを馳せていたこと。止まないおめでとうのメッセージを背にステージへ向かって、Roarをうたったこと。でも、決して、それからあとも堰を切るように泣くことはなかったこと。挨拶の最後、『あと、明日徹子の部屋にでます、みてください』と言える余裕ができるくらいに、つよくなったこと。

 

もう何度もみてきているはずのなかまるくんなのに、あの日のあなたの姿は紛れもなくわたしがはじめて出逢う表情をしていた。滲ませる喜びと感謝の奥の奥に、覚悟が見えた気がして。『ああ、もう大丈夫。もうなにも、心配しなくたって。この3人なら。』コンサートが終わったあとそんなきもちになれた途端、視界が揺らいだ。素敵なアニバーサリーイヤーのはじまり。わたしはこの日のことをずっとずっと忘れないだろうとおもう。

 

4月2日から始まったアニバーサリーツアー。お祝いできる喜びの裏に"いつツアーが中断、中止になってもおかしくない"という事実が潜む情勢のなか、KAT-TUNは無事にツアーを走りきった。最終公演の地、福岡。ツアーを締めくくる最後の最後の挨拶で、彼はこう言った。

『今日無事に幕が閉じますけども、今年のツアーはめちゃくちゃ楽しかったなという気持ちです。コンセプトが15周年のツアーだから、この期間グループのこととか15年を振り返ることが多くて、寝る前とかにデビューのときとなんか違うなって考えたんですけど、自分的に辿り着いた結論が、KAT-TUNって誰のものなんだろう?って思ったんですよ。もちろん事務所と本人のものなんだけど。最初はKAT-TUNやりますよって皆さんにアピールしていって、どんどん仲間を増やしていったのかなと。今何が違うかというと、KAT-TUNって皆さんと僕らのものなんじゃないかなって。そんな気持ちになりました。何が言いたいのかと言うと、もっと大事にしていかないといけないなと思いました。』

 

このことばを聞けたとき、「このひとをすきでいてよかった」「このひとをすきになってよかった」と確信にも似た気持ちを抱いて、目の前がぼやけて、彼の姿がみえなくなった。あなたのことがすき。だいすき。テレビのなかのあなたも、雑誌のなかのあなたも、ブログのなかのあなたも、どれだってとびきり素敵だけれど、わたしはやっぱり、スポットライトを浴びて、あなたのことを愛おしくおもうひとたちに手を振っている姿をみるのが、たまにくれるあまいウインクが、うたっているのが、おどっているのが、いたずらな男の子になってケラケラわらっているMCが、アンコールでくれる『さようなら』の言葉が、『またな!』とわらう姿が、一等すきだ。

わたしにとってもすごく特別なツアーになったよ。楽しかった、すごくキラキラした大切な時間だった。

 

ツアーと並行して進んでいたYouTubeチャンネル『ジャにのちゃんねる』の開設。ツアーの最中にも、「実はみんなが気づいていないことがまだあるので、くまなくチェックしてもらえれば…!」とメッセージを送っていたこと、いま考えれば健気でかわいいなあとおもう。と同時に、4人の努力にすばやく気づいてあげられなかったことを申し訳なくもおもう。楽しい時間4のパンフレットのインタビューのなかでも、30代のうちにやりたいこととして「YouTuberデビュー(笑)」と答えていたから、いつかその夢が叶うといいなあと遠くから願っていたけれど、まさかこんなに早く叶うとはおもわなかった。大好きで仲良しのインドア仲間で先輩のにのみやくん、天真爛漫で、自然発光するくらい顔が良い…!画が持つ…!と評すやまだくん、その陽キャっぷりにはじめは警戒していたけれど、あれよあれよと距離が縮まって、甘えられたりじゃれあったりする間柄になったふうまくん。ぎこちない雰囲気が漂っていたのはほんの最初だけで、4人の持つやさしさや頭の回転の速さ、すべてを肯定しようとする空気、ゆる〜い企画と会話のテンポが、たくさんのひとたちを惹き付けていったのだとだとおもう。"次はなにが始まるんだろう。"  "今日はどんな4人が見られるんだろう。"そんな気持ちになれる素敵なチャンネル。概要欄で"今週も頑張って行きましょう"と言ってくれること。Twitterでの感想や、コメント欄をチェックしてくれていること。編集でたいへんなはずなのに、KAT-TUNのお仕事も、個人のお仕事もあるのに、『更新頻度を増やしたい』と言ってくれたこと。なかまるくんがKAT-TUNでも、家事ヤロウでも、シューイチでも見せない彼の顔が見られていること、すごく嬉しくて誇らしい。この陽だまりみたいな、親戚のお兄ちゃん達みたいな場所が、4人の願う限り続きますように。

 

 

 

 

はじめてのことや、慣れないこと。不言実行のひとだから、口にしないだけで苦労したことはたくさんあったはずなのに。ぜんぶぜんぶ大成功でやり遂げたこの1年。たのしいきもちがなかまるくんのなかで大部分を占めてくれたなら。あなたがだいすきなひとと、だいすきな仲間と、あたらしく出逢ったはじめましてのひとと、日々を紡ぐことができたなら。一日の終わり、今日も素敵な日だったと、自分にはなまるをつけてねむることができたなら。わたしはそれだけで充分です。

でもきっと、やりたかったこと、見たかった景色、行きたかった場所、逢いたかったひと、隣に居たかったひと、諦めてしまったこと。わたしが知らないこともたくさんあるのかもしれない。ルールのなかで遊ぶことがすきなあなただけど、どうしようもなくなってしまったことだって。けれど、そういう現在をぜんぶ消してしまうのではなく「この情勢だからできることがある。お客さんの拍手でなにを言ってるのかだんだんわかってきたんだ。」と寄り添ってそっとことばをくれるような、そういうあなたのことをわたしはすきになったんだなあと救われた夜が何度もあった。たまにつめたく聞こえる言葉も、その裏にあるみえないやさしさも、緻密に張り巡らされた理性の奥から伸ばす腕で抱きしめるおおきな愛も、なかまるくんをかたちづくるぜんぶがわたしはすきです。これからいくつ歳を重ねても、あなたの世界のまま、あなたがおもう正解としあわせを選び続けてください。あなたのそのうつくしい手で、道を切り拓くひとだと、わたしは知っているよ。

 

 

 

38歳のなかまるくんへ

あなたと出逢って、宵の明星のうつくしさを知りました。

あなたをみたときに走る強烈な緊張と気をやってしまいそうな甘さは、甘美な毒であると知りました。

喉を通る毒の味は、ときにアイスクリームで、ときに無花果で。あまくつめたくさみしいことを。

恋することは狂気であることを知りました。

その毒の味が完全に無花果に変わってしまったら、もうアイスクリームには戻れないから。

せめて、あなたがひとつ歳を重ねる今日だけは、アイスクリームの味の毒をひとつ掬って溺れさせてほしいなあとおもいます。

愛というものがなんなのか、考えれば考えるほど、想えば想うほど、分からない。

なかまるくんのことをずっとずっとすきなのに、こんなにもみているのに、愛しているのに、わたしは、あなたのこと、なんにも知らない。

でも、今年もやっぱりそれがいいや。ただ、あなたのことがすき。それさえあれば、ほかにはなんにもいらないから。

だから、あなたがずっと、わらっていられますように。

ひとつでも多く、あなたの描く夢が叶いますように。

あなたのたいせつなひとへ抱く想いが、届きますように。

明日もがんばろうと思う理由がまたひとつ増えますように。

どうか、これから進む道の先が 希望で溢れていますように。

この世界がひっくり返っても、わたしはずっと、なかまるくんの味方です。

生まれてきてくれて、アイドルを選んでくれて、ここにいてくれて、ありがとう。

 

せかいでいちばんだいすきな、秋生まれのあなたへ。

せかいでいちばん、しあわせになってね。

お誕生日、おめでとう。

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