醒めない夢を見ていた

ただ、いとしいとつたえるだけ。

星降る夜に花束を ~なかまるくん35回目の誕生日によせて〜

『わたしはあなたが好き』という目に見えない曖昧なきもちの輪郭をなぞって掴む、というのはとても難しい作業だなあ、と思う。けれどその世界一難解でぐにゃぐにゃに捻れてしまうことの多いそのきもちを伝える術はどうやらこの世にたくさんあるらしい、と気づいたのは、わたしの世界に中丸雄一さんが現れた日がはじまりだった。わたしの世界に、みるみるうちに色がついた。

 

楽しいときに刻まれる深くてちいさな笑い皺。ふわふわなまあるい頭。切れ長でくっきり二重。細めたとき、禁忌に触れてしまいそうなほど色香のある瞳。ハート型のふっくら唇。まじっすかで結果を残せたときにフン、と鼻を鳴らすドヤ顔。柔らかくしなやかに舞う手足。ちょっとビビリなところ。おもちゃみたいに軽くて細くて愉快なカラダ。理性を着脱可能なところ。KAT-TUNイチのマーケターなところ。たまに天然なところ。家族想いなところ。仲間の想いに、そっと寄り添い肩を叩いて送り出すところ。ライブになるとガラリと変わる空気感。祈るような瞳で、心を静かに射抜くような視線で踊るところ。この世の女の子みんなの瞳のなかに、ハートを映してしまうところ。指差して、『キミ!キミキミキミ!そこのキミだよ!』ってバスタオルを渡すところ。違う人に渡ったら、ちゃんと指差ししてあげた人のところに行き渡るまで、確認するところ。急に雄のスイッチが入るところ。クリスタルボイスから心地よい低音まで担当するところ。重心低めの濃度濃いダンスも踊れちゃうところ。KAT-TUN中丸雄一でいることに、誇りを持っているところ。ずっとずっとずーっと、わらっていてくれるところ。踊りで切る風も細く狭い躰に擦れる布も、すべて彼の一部になって、芸術にしてしまうところ。

あげればキリがないくらい、わたしはなかまるくんのことがすきですきで堪らない。ほんとうに毎日毎日、飽きれるくらい、すきなのだ。泣きたいくらい、すき。

そんなわたしが世界一だいすきなひとが今日、35歳になった。

 

中丸雄一くん、35歳のお誕生日おめでとうございます。またひとつ、なかまるくんとの歳の差が遠くなってしまいました。

一つ年をとるということは、山頂に届いた時に自分の歩いてきた道を眺めている気分と似ていると思う。34歳の1年間、あなたがたくさんたくさん笑ってくれていたから、わたしはほんとうに嬉しかった。もうなかまるくんが悲しい顔をしなくとも済むあったかい世界になった。あなたは痛みを伴っても、変わらない為に変わり続けた。ちょっと憎んで呪ってしまってた、時間やしがらみを、あなたの笑顔はすべて水に流して許してくれた。素晴らしく美しい日々をくれた。

 

初秋。9年振りに再演が決まった『中丸君の楽しい時間』は、『楽しい時間2』へとパワーアップ。あの頃よりもテクノロジーは進化を遂げたけれど、アナログとデジタルを心地よく融け合わせ、緻密な魅せるひとり遊びをして見せた様は、なかまるくんの頭のなかに広がる回路の海原の深さを、改めて噛み締めさせられた。『中学生の頃からステージに立つことを生き甲斐にしてきた』『早くKAT-TUN3人で集まりたくてウズウズしてる』この舞台中になかまるくんが発してくれた言葉のひとつひとつは、この世のどんな宝石よりも重く、価値のある言葉達だったとわたしは思う。"言霊"は、ほんとうに在る。

あの日。KAT-TUNが再始動した日。

Real Faceのボイパがいつもより高く鳴って、覚悟を決めた顔で、花道を歩くKAT-TUN。船の錨が、完全に上がった。炎も、歓声も、拍手も、ぼくらの世界の彩度が上がる合図だった。テレビ越しに観ている景色が全部涙色に染まるような、それはそれは素敵な日だった。

そしてなんと言っても現在公演中のアリーナツアー、『KAT-TUN LIVE TOUR 2018 CAST』のなかのソロ曲、Marionationで彼が魅せる『夢』は、すぐにわたしの全世界となった。彼が下僕を従え静かにレーザーと躰で支配する世界が着々と闇の中に溶けていく様を見た瞬間、わたしの頭と心はじっくりと溶かされ、崩壊を迎え、現実と夢の線引きがままならなかった。夢にはよくそういうことがある。現実と非現実が芸術的に入り交じるのだ。彼の禁忌に満ちたMarionationと、ヒューマンビートボックスのコーナーを観たとき、秘密の鍵付きの宝箱を開ける時のあの秘密の期待のようなものが入っているような気がした。わたしの中の"中丸雄一"という宗教の宗教画と、彼自身が描き創造する"中丸雄一"の宗教が綺麗に一致した気がした。光を一切無くして踊る彼は、怖いほどに美しくビートボックスのはじめの"ぼ"の一音が華火みたく胸に迫って、会場中蠢く音を観た。きっとまだなかまるくん自身も知らない"中丸雄一"がなかまるくんの窓の外にいるのかもしれないと、思ってしまうほどだった。

『中学生の頃からステージに立つことが生き甲斐だった』『このアイドル感嫌いじゃない』彼の中でブレることの無い芯と疲れまでも楽しむなかまるくんにとってアイドルは天職だと、心から信じている。 なかまるくんが福岡初日のアンコールで叫んだ『さよなら!』も、優しく呟く『素敵な夏の思い出が出来ました』の挨拶も、あの口角がキュッと上がってちいさな笑い皺がかわいいこどもみたいなクシャクシャな笑顔も、全部全部抱きしめたかった。表情も躰も声も、指先の張り詰めた神経までも、彼はアイドルだと思う。わたしはアイドルのなかまるくんがほんとうにすきだし、尊敬している。

なかまるくんをすきという気持ちが日々大きくなるのは5億年前から頭と身体では分かっていたけれど、わたしが福岡で約2年ぶりに彼を観て感じた"すき"の感情は、紺色の夜空に瞬き消えゆく流星を捕まえて砕いて、金色のシャンパンにゆっくりと加えて満たしていくような、刹那のすきが積もるようなものだった。ものすごくすきで、なんだか悲しくなってしまった。“すき”と思えることが何故悲しいのだろう。どれだけ考えても、遥か昔からその答えは見つかっていない気がする。あなたが好き、という気持ちを伝える術はこの世の中に数あれど、わたしは未だに彼を見ると自分のなかでうまく気持ちに整理をつけて表現することが出来なくなる。ただただ泣きたくなってしまって、泣き笑いのぐちゃぐちゃな顔をして、やっとの想いで生み出す言葉のそれが、もう100万回は呟いた『好き』の二文字になってしまう。

わたしはこれからもずっと、彼に夢を見るのだ。彼を道標にして、終わりの見えない夜間飛行の旅を続ける。永遠に埋まることのないわたしとあなたの歳の差が、近づき離れる度に嬉しくって微笑む。はち切れんばかりの想いが胸を満たして、またいつものように泣きながら笑って零すのだ。何度目か分からない溜息とともに、『すきだ』と。

どうか35歳の1年もあなたが『しあわせだ』と言葉にすることの出来る日が多くありますように。あなたに聴こえる声のすべてが、美しく楽しい歓声でありますように。季節の移ろいを、肌で感じてにっこり笑えますように。星座盤のごとく輝く瞳が、もっときらきら輝きますように。

書きながらも、目に涙が溜まってくる。

明日も明後日もその先も、あなたはわたしのかみさま。お誕生日、おめでとう。

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